2006年12月31日

2006年十大ニュース(山陽新聞社説12/30)より

なんとか2006年も終わりますが、なにか大きくこの国の方向性が変わった、というのはいつわらざる思いです。みなさまにとっての十大ニュースはどのようでしょうか?

新年はどうなるでしょう? どうしていったらよいのでしょう? 希望をもって、「よく見聞きし、わかり、そして忘れず…」(宮沢賢治・「雨ニモマケズ」)にいきたいですね。それでは、心より、よいお年を!


この1年・国内 戦後政治の転換点迎えた


 二〇〇六年が間もなく暮れる。今年もさまざまな出来事が渦巻いた。共同通信が山陽新聞社など加盟社とまとめた「十大ニュース」を中心に国内の一年を振り返る。

 一位は安倍政権発足である。小泉内閣の後を受け、五年半ぶりに政権が交代した。「美しい国づくり」を掲げた安倍晋三首相がまず手掛けたのが教育基本法の改正だ。

 「国と郷土を愛する態度」「公共の精神」などを盛り込んだ改正教育基本法は十二月十五日、防衛庁の「省」昇格関連法とともに成立した。十大ニュースには、この二つの法案成立も七位に入った。

 戦後政治の転換点として位置付けられるだろう。安倍首相は後世に名を残す政治家となったのは間違いない。だが、多くの国民が抱いた「なぜ急ぐのか」との疑問は解消されずにいるのではないか。

国民の意識とずれ

 保守主義者を自認する安倍首相は、「戦後レジーム(体制)からの船出」を強調する。憲法改正も明言するが、どれだけの人が今、戦後体制からの決別を望んでいるだろうか。国民の意識とのずれを感じざるを得ない。

 自らの理念優先の姿勢が、目前の政治課題への対応を鈍らせたのかもしれない。「お帰りなさい」と歓迎した郵政造反組の自民党復党や、道路特定財源見直し問題などで内閣支持率は急落中だ。

 首相の肝いりで起用した本間正明政府税調会長や佐田玄一郎行政改革担当相の不祥事による辞任は、首相の任命責任が問われた。求心力低下が懸念される中、来年一月に召集される通常国会は早くも大きな正念場となろう。

 政権初の新年度予算案や企業優先、格差拡大との批判が強い税制改革が論議される。教育基本法改正に伴う関連法案の見直しも審議される。今春発足した小沢民主党にとっても、来夏の参院選に向け真の力が試されるだろう。

命が大きく揺れた

 今年一年を象徴する漢字に「命」が選ばれた。いじめによる児童生徒の自殺多発(十大ニュースの五位)は、学校や教育委員会の不手際が批判された。飲酒運転で相次いだ悲惨な事故(十位)、石油ストーブやエレベーターなど生活に身近な製品で命が奪われるケースも目立った。安全が劣化したかのような社会が浮き彫りになったといえよう。

 生命と財産の安全を揺るがしたマンションなどの耐震強度偽装事件では、元一級建築士が逮捕された(六位)。裁判では「建築業界史上最大級の不祥事」と断罪された。

 やるせない空気に覆われる中で、さわやかな風も列島を吹き抜けた。「秋篠宮家に男子誕生。皇室として四十一年ぶり」(三位)である。一つの新しい命を国民は温かい目で見守った。悠仁さまと命名された。政府は女性・女系天皇も認める皇室典範改正を準備していたが、見送った。健やかな成長をお祈りしたい。

問われた規範意識

 経済関係では「ホリエモン、村上代表らヒルズ族の逮捕」(二位)と「日銀がゼロ金利を解除、景気は『いざなぎ』超え」(八位)がランクインした。

 東京・六本木の巨大ビルに本社を構えたライブドアグループ、村上ファンドの二人のトップ逮捕は、マネーゲームとも呼ばれた経営の危うさを露呈した。「金さえもうければ」という拝金主義に警鐘を鳴らし、法令順守の重要性をあらためて印象づけた。

 政治家の規範意識も問われた。官製談合事件で福島、和歌山、宮崎三県の知事が相次いで逮捕された(四位)。地方分権論議が本格化する一方で、強大な権限を握る知事の統治能力や議会などチェック体制のあり方が大きな課題として積み残されたといえる。

 スポーツ関係では「トリノ冬季五輪で荒川静香選手が唯一の金メダル」(九位)が、国民に感動と勇気を与えた。

 サッカー人気に押され気味の野球界では、第一回国別対抗戦「ワールド・ベースボール・クラシック」で日本が初代王者となりファンを熱狂させた。西武の松坂大輔投手の大リーグ移籍では巨額の金が動き、度肝を抜かれた。日本球界の空洞化を懸念する声もあるが、大舞台での活躍は想像しただけで楽しみだ。

 明暗、悲喜こもごものニュースが交錯した。来年は少しでも明るく、喜ばしい出来事が増えてもらいたい。

posted by みつのぶ at 06:08| 東京 ????| Comment(3) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
大晦日の晩、「テレビ・タックル」っていう番組をちらちら見てましたが、そこに出ていた国会議員たち(特に与党)が異様にヒステリックだったのが気になりました。特に、北朝鮮の核兵器に対する反応が突出してました。核兵器を積んだミサイルが明日にでも日本の大都市に降ってくる→対抗措置が必要→軍隊や先制攻撃が必要→憲法9条を変えろ、それ以外は非現実的、ってことを目を血走らせてあおっている感じ。国会で大多数を占めるあの種の人たちの頭の中には、いつもこんなふうにしか血液が流れてないのでしょうね。でもちょっと待ってよ、武力だけしか思いつかないの? 人間同士のかかわりって、そんなに狭いものではないでしょって思います。人間についての見方がちがう。話せばキム・ジョンイルにも通じるっていう人間に対する信頼がないんだなと思います。あるのは不安と猜疑心ばかり。「どろぼうにはどろぼうのことが一番よくわかる」っていうけれども、あれほど北朝鮮を危険視して、そうだから憲法を変えようと言う人たちにも同じくあぶない頑なさを感じます。この国には、心を開くってことが足りないから、国内にもいじめや自殺がなくならないわけで、北朝鮮に対しても同じことをしようとしているのではないですか?
Posted by ゆみ at 2007年01月02日 10:47
ゆみさんの意見に賛成です。北朝鮮が核ミサイルを落とすかもしれないから、対抗措置が必要、だから憲法9条を変えるべきだ、というのは、確かにわかりやすいし、一見、国民の生命とか財産を守るのが仕事の国会議員としてはもっともな意見みたいですが、私も、「ちょっと待って、武力に対抗するのに武力で、問題が根本的に解決なんてするの?」って問いかけたいです。そうじゃない道、平和的な外交と対話によって解決の道を探ることこそ、ほんとうに国民に選ばれた政治家が努力すべき課題なのではないでしょうか・・。
 このあいだ、本屋さんで「暴力の連鎖を超えてー同時テロ、報復戦争、そして私たち」という、岩波ブックレットを買ってきて読んでいます。2002年発行のなので古いかもしれませんが、その中で、ペルーの大使公邸占拠事件のとき人質になった、もと外務省職員の小倉さんという方の発言が印象的でした。この方は、事件が武力で決着されたことに納得ができず、外務省を辞めて、武力決着を批判して、抗議する活動をやってきたそうです。彼は、「紛争は平和的に解決しなければならないし、それが原則であると考えている」といい、「孤独な戦いをやってきたわけですが、私の心の支えになっていたのは日本国憲法の前文であり、第9条でした。その根幹は、紛争は平和的に解決しなければならないということだと思います。平和的に解決するといいますと、あたかも平和ボケしているかのような批判を受けますが、平和的というのはあくまで問題の根源を絶つという、それをさぐっていかなければならないということだと思います。」って発言していて、日本にもこんな、正論を主張する勇気のあるひとがいるんだなあと感動しました。 北朝鮮にたいしても、日本は、今の平和憲法を大切にしながら、対話や平和的外交努力によって問題を解決するべきだとおもいます。北朝鮮の大部分のひとたちだって、私たちと同じで、ほんとは自由と平和を切実に望んでるひとたちにちがいないと思うので、きっと道はあるはずだと信じますし、また、武力にでなく神の義により頼むなら、神が道を開いてくださることを信じて祈りたいとおもいます。
Posted by 上田圭委子 at 2007年01月03日 07:36
 井川と申します。わたしはあまりテレビを見ないので知らなかったのですが、そうでしたか。
 
 北朝鮮の脅威をメディアがあおっていますが、あれはある意味国民の社会不安をそらすための「ガス抜き」としてメディアが動員されているのかな、と感じるときもあります。しかしそうでなくて、件の議員さんたちをはじめ日本の政治家や官僚その他公的決定権力をもった人たちが本当に不合理な情念のとりこになって来ているのではないかという気もします。

 おそらく現実的利害関係から行って、中国と危機的状況になることはあまりないように思うのですが、北朝鮮はアメリカが動いた際に日本も「後方支援」(あるいはそれ以上)という形で動くという可能性が今の流れでいうと考えうるように思います。

 こうした最近のナショナリスティクな、軍国主義的動きを支持している人たちがいることも驚きですが、今後の日本のために、祈り、また何がしか発言・行動してゆかねばと思っています。
Posted by 井川 at 2007年01月04日 02:39
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